中小企業防犯は必要なのか。

大手企業は反社会的勢力に対する備えに対して、人も予算も割いているところが多く、仕組みも整っているところが多くあります。それは当然、必要性を感じているからです。中小企業においてはなかなかその部分に対して、手当てしているというところは見当たらないというのが現実です。

では、その面の手当ては不要だと思われているのでしょうか?

決してそのようなことは無く、経営者の方とお話ししていると非常に危惧されている方が多いというのが実感です。

ではなぜ、脅威を感じているのに具体的に何もしていないのでしょうか。

それには、人や予算に余裕がないというよくある論から始まって、最後には身内や友人に警察関係者や弁護士がいるからというような、様々な理由がありますが、本当のところは、「今のところ何も起きていないから」という、いわゆる平和ボケ(失礼)といわれる感覚があるようです。

というのも、人はともかく、費用は社長のポケットマネーで賄うこともできますし、いくら警察関係者が身内にいても階級が低かったり、管轄が違えば慰めてくれる程度の存在にしかなりません。

既に、反社といわれる組織や個人は非合法な手段で個人や企業を的にした金儲けを行っていますし、それに対して警察をはじめとする公権力は取締りを強化し、組織のトップを逮捕に持って行っています。さらに、昨年成立したいわゆるテロ3法といわれるものが、彼らを経済的に締め付けて行きますが、それ故に、まずます、潜在化、巧妙化して気付けば被害を受けてしまったというようなことが増えて行きそうです。

その状況に付して来年から始まるマイナンバー法による様々な制度改正が、大きな変化をもたらすように思われます。

追い詰められたモノたちが、考えることはセキュリティが甘く、搾り取るものを多く持っていそうな優良中小企業を狙ってくるというのは当然の帰結ではないでしょうか。